Category: 小品

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これから作り込んでいく7曲の題名が決まった。小品を作り込んでいく段階になったら、それぞれの曲に題名をつけることにした。今回はこの7つを題名として採用した。

「1.Edward」「2.Abraham」「3.Taylor」「4.Scot」「5.Hank」「6.Ian」「7.Thomas」

見ての通り特別な意味をもった単語ではない。連番では覚えづらいので便宜上つけただけの名前だ。私は原則として曲名などいらないと思っているからだ。

そもそも私は音楽に標題を設けるのは反対だ。友情の素晴らしさや愛を伝えるとか、人生の儚さと破滅とか、反社会的メッセージとか、音楽においては、どれだけそんな標題を設けたところで嘘っぱちだと知ってるからだ。それに、本当にそういったことをやりたいならもっと他に効果的な表現形式がある。つまるところ文章を書いたほうがいい。

音楽はもっと純粋に衝動的なものだ。日常的に抑圧された衝動の解放運動だ。自らの心の内にある溢れんばかりの衝動、どこまでも空虚な世界の中で行き場を失った衝動。それを解放するほとんど唯一の場所なんだ。なりふり構わず、手加減なしの力で、空虚に向かって全力で体をぶつけられる場所だ。

言葉はつねに衝動のあとにやってくるものだ。だからどこまでいっても後付だし、嘘っぱちだ。ときには音楽の足をひっぱる。言葉の素晴らしさは音楽に直結しないし、その逆もそうだ。

考えてもみて欲しい。あなたの前にいる男が、人生に対する決意の力を引き出して「うおお」と叫んで立ち上がったとする。

あなたは「今なんて言ったの?」なんて聞き返すだろうか。聞き返さないだろう。それは野暮ってもんだからだ。音楽に標題をつける、曲名をつけるってのはそういうことなんだ。