私の愛しいアップルパイへ
まわりにとやかく言われず、自分の純粋な衝動を開放すること。
端的に言えばこれが私にとっての音楽の意義です。ですから、私のつくる曲はいつだって人生賛歌です。
人生賛歌だと言うのに、私の作品には涙の出るような甘いメロディーも、甘美に響く竪琴もないことを不思議に思うでしょうか。むしろ、醜悪で下劣で破壊的で汚らしく感じるものの方が多いかもしれません。
ただ、それは人生というものが泥臭くて生臭いものだと心得ているからなのです。善も悪も曖昧だし、世間は押しつけがましい常識で窮屈だし、恋愛と宗教は商売上手の生業だし、正義と道徳は飼いならされたトイプードルみたいだし、人間は醜くて人生は滑稽じゃありませんか。それらを含めての人生賛歌というわけです。
考えてもみてください。見せかけの綺麗さに過ぎないのなら、音楽なんて、引いては芸術なんて一体なんの意味があるのでしょう。
常識や固定観念や世間体などの嘘っぱちに対する私なりの細やかな抵抗というわけです。
曲を作ることが、見せかけの薄っぺらの人生に対する反抗であるなら、その仕事は詰まるところ「生きる」ということと同義になります。
▼今日の1曲はハードに薄汚く
貴下の従順なる下僕 松崎より