私の愛しいアップルパイへ
先日、道を歩いていたら久々に作曲の先生に会った。そう頻繁に会えるわけではないし、彼が先生だったということもうっかり忘れてちまうところだった。
その先生ってのは泣きじゃくる子供のことだ。歳にして3歳~5歳というところか。とにかく、泣いていた。ただ、泣いていた。
体全身を使って、脇目もふらず、恥ずかしげもなく。いんやぁ恥ずかしいなんて気持ちは一切ないんだろう。
何を言っているのかもよく分からない。泣いてる理由もよく分からない。おそらく自分でもよく分かっていないか、十中八九、理由なんてそう大したことじゃあなかったはずだ。
ただ泣いてるうちに自分の生命力すべてを外にぶつけたくなったんだ。込み上げてくる衝動が抑えられなくなって、一度溢れた衝動が抑えられなくなったんだ。
あの瞬間、あの先生より生き生きしていた人間はこの世にゃあ居なかったはずだ。他ではめったに見られない純粋なパワーだった。
先生を見るたびに、私はああなりたくて曲を作ってんだって思うね。
▼今日の一曲は泣きじゃくるように
貴下の従順なる下僕 松崎より